昨年秋から、テラリウム → ハーブ → ミニバラ → 極姫バラ ときて、今月また新しいものに手を出してしまいました。野菜の水耕栽培です。
元々、春になったらバジルをセラミスで栽培するつもりでいたのですが、YouTubeの解説動画をいろいろ観ていたらついそちらに目が向いてしまいまして、さっそくDAISOで種を買ってきて撒きました。
ところで、1月2月の関東は、気温は低いものの晴天が続いていたのですが、3月に入って雨やみぞれの予報が出るようになりました。
最初はベビーリーフを育てているのですが、次はレタスの水耕栽培をする予定です。で、レタスって双葉が開くころまでにしっかり光を当てて根元を太く育てるのが大事らしくて。この時点でヒョロヒョロになってしまうと、大きくなったときに茎が支えきれずに倒れてしまうらしい。
そんな話を耳にしてふと思いついたのが、しばらく前に家の納戸で発見した古い育苗水槽らしきもの。取説は見当たりませんでしたが、LEDライトはつくので使えるのではないかと引っ張り出してきました。
![]() |
3月8日時点 |
水耕栽培器 Green Farm
実はこれ、10年くらい前に発売されて既に販売終了している商品なんです。でも公式サイトがまだ生きていたので情報収集はできました。今は問題なく使えています。
・ Green Farm 公式サイト (古いサイトのせいかブラウザの警告が出ます)
終売品のレビューしても仕方ない気はするのですが、せっかくなので。
![]() |
3月4日 グリーンファーム使用初日 |
グリーンファームのレビュー
結論から先に書いてしまいます。
amazonや楽天に残ってる販売ページを見ると、どうやら25,000~27,000円くらいで販売されていたようなのですが、正直その金額出すなら5,000円くらいの植物育成LEDライトと100均の豆苗ポット複数個買ったほうがコスパ良いです。
こういったライトに、コンセントにつなげるタイマーが1,000円台からあるのでそれを付ければ事足ります。
ただ、発売が10年前ですからね。多肉植物が流行って一般個人向けの室内栽培用グッズが多種多様に出ている現在とは事情が違ったとは思います。とはいえ、それを差し引いてもちょっと欠点が多いんですよね…。
グリーンファームの仕様
- LEDライト
- ファン
- エアポンプ
- タイマー
電気系は以上4つ。これに水耕栽培用の容器や水位計が、アクリルケースにセットされています。
操作は「発芽」と「花」モードの2つが選べるのと、タイマーで点灯消灯の時間をセットできる。以上のみ。細かい設定は一切できません。
発芽モードだと、最初の72時間は消灯したまま(?!)で、72時間後からセットされた時間点灯。エアーは1時間ごとに5分くらいブクブク出るらしいです。
花モードだと照明のみ。点灯中はファンが回り続けます。
これだけ。もう徹底的に「種をセットしたら、水が減ったときに液肥入りの水を注ぎ足すだけ。後はなーんにもしなくていいですよー」という作りなんです。
で、ありがちなんですが、こういう作りの電化製品って便利なようで実は不便。もうコンセプトから間違ってる。そりゃ販売終了もしますよって。
グリーンファームの問題点
・ ケースの高さが低すぎる
水耕栽培容器をセットすると、上のLEDライトまでが近過ぎるんです。ベビーリーフくらいならいいけれど、レタスやバジルなんて育てたらすぐに葉がLEDについてしまう。
結局、大きく育つ前に収穫することになります。いちおうLEDライトはプラ板で覆われていて、育った葉が直接触れてしまわないようにできてはいるんですけど。
そして逆に、芽が出た直後はライトから離れ過ぎていてたぶん光量が足りない。スマホアプリの光度計で計ったところ、LED直下は20,000ルクスほどですが、栽培容器のすぐ上だと10,000以下。
なお、距離によって光量が激減するのはLEDライトでは当たり前のことで、この商品だけの問題ではありません。問題は、栽培容器の穴に直播きする仕様になっていること。これで室内でレタスの種撒くと徒長するんじゃないかなあ、季節にもよるけど。上に書いた通り、レタスは双葉が出たあたりの光量が重要らしいので。
なので私はこうやって、発芽直後の苗は台に乗せてLEDに近づけて光量を確保しています。まあ、今育てているのはベビーリーフなのでそこまで気にする必要ないんですけど。すぐ食べちゃうので。
…そう考えると、レタスも大きくなる前に天井についちゃって収穫することになるから「芽が出た時点で徒長してしまい、葉が育つと重みで倒れてしまう」という心配は不要なのかも。…それでいいのか?!
まあこういうわけで、「お手入れ不要」の仕様故に「発芽直後にはライトが遠すぎて光量不足、育つとケース自体の高さが不足」という中途半端な作りになってしまっているわけです。
向かって右側に吸気口、左側にファンがあるので、容器内で右から左に空気が流れる作りになっており、ライトの熱の冷却と蒸れの防止の2つの役目を果たしています。屋内栽培の欠点は風がないことだというのは割とよく聞く話ですから、グリーンファームには上記の「ケース+LED+タイマー+エアー」に加えてサーキュレーターの機能もあると言っていいかも知れません。ただサーキュレーターも今は2,500円くらいで充分に買えるのでやっぱりコスパは悪いのですが。
そして問題なのが、これをオフにできないこと。グリーンファームの使用温度は、公式サイトによると以下の通り。
Q. どこに置いてもいいですか?
A. 室内専用です。室外でのご使用はしないでください。周囲温度が15℃~30℃の範囲外の環境や、湿度が高い場所、発熱器具の近く、エアコンの風が直接当たる場所には置かず、水平な場所に据え付けてください。また、タンスやオーディオなどの上には、据え付けないでください。
15℃以上!
何の為にアクリルのケースに入ってるの?! LEDが発熱するんだからファンを止めれば保温になるでしょうが。エアーが1時間に5分の作動なんだからファンも1時間に10分だけ作動とかできるでしょ?!
明るすぎて寝室には置けないのに、人がいない部屋は夜はエアコン切っちゃうでしょう。冬の寒い時期は栽培できないって、何の為の屋内水耕栽培なの?!
結局ここもたぶん「スイッチポンで後はなーんにもしなくてOK」な仕様の為に、ユーザーがこれを使う時期のほうを制限するという本末転倒な商品になっちゃってるんですよね…。
野菜の水耕栽培において、エアーで酸素供給が必要な作物ってトマトのような大きな実がなるものくらい。レタスや水菜のような葉物野菜を水耕栽培するくらいなら普通は必要ないんです。このグリーンファームって高さが足りないせいで野菜が若いうちに摘まなきゃならないから尚更です。
グリーンファームには3サイズあって、一番大きい「グリーンファーム トライタワー」だとプチトマトの栽培ができるのですが(ただし3段のうち一番上の段のみ)、他のタイプは不可。なのにエアポンプがついている。
まあおそらくエアありとエアなし2種類作るコストとか考えてのことなのでしょうけど、音がうるさいだけの無駄な機能、しかも動く分の電気も使うわけで、ユーザーにとってはマイナスでしかありません。
エアーの件にも関わってくるのですが、「種を撒いたら後は(以下略)」なので水の入れ替えをせずに育て終える作りなんですよね。レタスや大葉もちゃんと育てれば数か月間は収穫できるはずです。その間、一度も水の入れ替えをしないとなると…。高確率で、水がアオコで緑色になっちゃうと思うんです。
以下、公式サイトより引用します。
Q. アオコ(藻の一種)の発生を防ぐことはできますか?
A. アオコの発生自体を防ぐことはできません。発芽前にアオコが大量発生して種を覆ってしまうと、発芽不良の原因になってしまいます。種をスポンジにセットして、発芽後スポンジから根が出てくるまでは、水道水だけで育ててください。根が出てきたら栽培ケースの満水ラインまで水道水を補充し、液肥を適量(取扱説明書をご確認ください)加えてください。種が発芽するまではアオコが繁殖する栄養が少ないので、アオコの繁殖を抑制できます。
アオコの発生自体を防ぐことはできません。
それでいいの? 商品としてどうなの??!
ここまでくると、誰でもこの商品が終売になった理由が察せられるかと思います。
冬は使えない。夏はアオコでドロドロ。
ああ、アオコが発生するからエアが必要なのか。アオコも植物ですから水中の栄養を消費してしまうし、その場合一番ひっ迫するのはおそらく水中の酸素…。
つまりアオコを育てる為のエアー…?

と、こんな感じです。
あとは、ケースがアクリルなので傷だらけになっているのも気にはなるのですが、軽さと取り扱いやすさ、そして価格とのバーターなのでこれは何とも。
というわけで、こんなに文句ばっかり言っといて実際使ってるのかと言われてしまいそうですが、結局上記の理由で水耕栽培容器を使用するのはナシだな、となり、水耕栽培容器をカパッと取り外してお花モードでLEDライトのみ利用している次第です。
ただこれでも問題があって、ファンはずっと動きっぱなしなんです。なんとタイマーでライトが消えた後も。うるさいし電気代の無駄なので、結局手動で電源ボタン押してつけたり消したりするしかありません。
なんだかなあ。なんでこんな仕様にしちゃったんだろう?
とりあえず、捨てるのも粗大ごみになってお金かかるので、LEDライトつきケースとして今後も利用するつもりです。極姫バラは小さいのでもう少し育っても使えると思うし、野菜も育苗のときだけなら台に乗せれば使えますからね。
家にあるものは活用しないと。ちょうどいいサイズの台を探そうと思います。